2025/01/01 00:00

常盤園茶舗 国有形文化財登録に際しまして
令和6年7月19日、国の文化審議会が「常盤園茶舗倉庫(煉蔵・通称:おくら)を国の登録有形文化財(建造物)とするよう文部科学相に答申しました。
この煉瓦蔵は常盤園13代目柿沼勘治郎により、明治40年14代目柿沼兼吉誕生(明治37年)を記念して建てられた、二階建て切り妻造り様葺きで、一階は内法高まで煉瓦一枚積みで立ち上げられ二階部分は土台を据えた木造で、壁面は煉半枚積みの混構造となっております。
昭和6年の西埼玉地震にも耐え令和4年には基礎周りを全面コンクリートで補強、屋根瓦も葺き替え鬼瓦も従来通りの家紋入りの特のものにし、あと100年持たせたいと考えています。この煉瓦蔵の特徴は、外壁には澁澤栄一先生が設立に関わった『日本煉瓦製造(1887-2006)』の初期の煉瓦が使われており西埼玉地度後の鉄骨で補強された外観も評価の対象になりました。
1840年3月16日(天保11年2月13日)、澁澤栄一先生は深谷市血洗島にお生まれになりましたが柿沼家はその日を遡ること155年この地には350年以上、名字帯刀を許されながら中山道とともに本百姓から旅籠、江戸時代末期には近在から集められた茶葉から製茶したり茶製造の伝習所を開きその後製茶問屋業、茶小売業を営んでまいりました。
元禄時代に建立した福寿院金胎寺の最初の檀家として貞享2年(1685年)の記録もあり深谷市で最も古い商店として同じ場所で営業を続けております。
現在は16代目が全国の優良茶園から選りすぐりの茶を集め販売しております。